カナダと言えば「赤毛のアン」というぐらいメジャーな小説の主人公アン・シャーリーは、実在しないとはいえ、日本人にとっては間違いなくカナダの有名人の一人です。

しかし、カナダ人にとって即座に名前があがる有名人なのか?となると、赤毛のアンどころか実在の人物である作者のモンゴメリですら怪しいところです。

マイケル・J・フォックスやパメラ・アンダーソンのようなハリウッドで活躍する俳優や女優、音楽業界のスターではセリーヌ・ディオンやジャスティン・ビーバーなど、活動の拠点をアメリカに移していても、実は国境の北側の出身だというセレブ達は少なくありません。

更に一般的に名前の知られた人物といえば、国技でもあるアイスホッケーの選手達は、シドニー・クロスビーを始めとするNHLで活躍する現役選手からレジェンドからまで、その名は数知れません。

しかし、本当に国民の誰もが知る断トツの有名人は誰か?と聞かれれば、これはもうテリー・フォックス以外には思い浮かびません。

その名を聞いても「誰それ?」というのが、一般的な日本人を含めた外国人の反応になるのですが、その名を知らないカナダ人は存在しないと言っても過言ではありません。

留学生や移民として新たにやってきた人々も、英語の習得や社会学習の教材として、彼の話を読んだり聞いたりするのが定番になっています。

1958年ウィニペグで生まれた彼は、バンクーバーで大学生活を送っている最中に、骨肉腫により右足を失います。

そして、癌撲滅のための研究資金を集めるために、義足による北米大陸横断マラソンを行う決断をするのです。

東端のニューファンドランド州を出発し、西端のバンクーバー島を目指した過酷なマラソンでしたが、残念ながら途中で癌が肺に転移したことが発覚し、完走を断念します。

1981年、22歳の若さで他界してしまった彼の姿は、その後もヒーローとして人々の心に生き続け、癌を撲滅したいというその志は、現在もテリー・フォックス財団として受け継がれています。

毎年各地で「テリー・フォックス・ラン」というマラソン大会が開かれたり、彼が走り抜けて行った地域に銅像も建てられたりしていますので、観光で訪れた際には、チャリティーとしてマラソンに参加したり、彼の雄姿をしのぶ銅像を目指して街を歩いてみることもできます。

カナダ人にとってのヒーローで一番の有名人テリー・フォックスの足跡を、ぜひ訪ねてみて下さい。